まだまだ残されている、未対策の学び舎

 

公立学校施設は児童生徒などの学習・生活の場であると共に、非常災害時には地域住民の応急避難場所としての役割を果たすことから、耐震化の推進がなされています。

特に東日本大震災以降、耐震化が急速に推奨され、平成27年度末までの出来るだけ早い時期に完了させるという目標を文部科学省が掲げていました。

しかしながら、に文部科学省が公表した「私立学校施設の耐震改修状況調査結果の概要(平成29年12月27日付)」によれば、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の耐震化率は88.4%、「私立大学等施設の耐震改修状況調査結果の概要(平成29年4月1日付)」によると、高等専門学校、短期大学、大学の耐震化率は90.3%でした。

また、公立の小・中学校においては「公立学校施設の耐震改修状況フォローアップ調査の結果について(平成29年4月1日付)」によると耐震化率は98.8%となっていますが、この時点でまだ1,399の小・中学校の施設で耐震性がない状態だったことになります。公立幼稚園の耐震化率は92.9%、公立高等学校の耐震化率は97.9%でした。

私立と公立で耐震化に差がついたのは、①国による耐震化補助金が私立学校は改修のみで施設改築が補助対象外だったこと、②地方自治体が私立学校の耐震化補助制度を設けていなかったり、補助率が低いなど、外観や使い勝手を大きく変更させない耐震工法が提案されてこなかったなどの原因があげられます。

今でも多くの子供たち、若者たちが耐震性のない建物で毎日を過ごしているという事実は、十分広く周知されているとは言えません。学校関係者や保護者にとってこれは憂慮すべきことです。安全面の観点からさらに耐震化が進むように啓蒙が必要です。

 

事例

【T大学】

Before After

【その他学校関連】

学校校舎
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