【①建物投資価値調査】

概要
当調査は、建物投資価値評価に新たな地平を開きます。
建物オーナー様にとって、建物経営の観点から、保有既存建物を改修するか建替えるかの選択は、大きな課題です。
建物の耐用年数が長く残存していれば、投資の視点から、建替えよりは改修が選択される余地が生まれます。
当協会は、対象建物の固有振動数を、現地にて一定時間で計測することにより、建物の残存耐用年数を短時間で安価に算定する画期的方法を新たに確立しました。
当調査により、建物の実態に即した残存耐用年数が算定できることで、既存建物を担保として、金融機関より融資を受ける場合、実態に即した残存耐用年数は、法定耐用年数によるものより一般的に長くなることから、法定耐用年数によるものより建物担保価値が増し、融資を受け易くなることが想定されます。
振動計測・残存耐用年数の算定

(1) 振動計測

対象建物の固有振動数は、建物内外の周囲振動を計測することにより推定します。
標準的な計測方法は、対象建物に可搬型MEMS加速センサを設置し、1回の計測時間5分として、2回以上の計測を行います。
・MEMS加速センサ ・記録装置
【図:MEMS加速センサと計測装置の外観】
(2) 残存耐用年数の算定

建物は、竣工時から時間の経過とともに、経年劣化や地震等の外力による損傷を受け、固有振動数(建物がもつ特有の振動で、単位時間に起こる往復運動の回数)が低下することが知られています。
先ず、固有振動数計測結果から、竣工時から現在までの固有振動数が低下する経年変化速度を推定し、竣工時の固有振動数を初期値とし現在の固有振動数を結ぶ経年劣化線を描きます。
次に、経年劣化線が、建物の健全性が失われる時点の固有振動数と交わる時点を求め、残存耐用年数を算定します。
建物の健全性が失われる時点は、建物の層間変位が1/200に達したときの固有振動数により推定します。推定した固有振動数に近づくにつれて地震を受けると有害な現象が生じる可能性が高くなります。事例の建物の場合、推定した固有振動数は1.4Hzになりました。
【 図:残存耐用年数算定表の事例 】
調査対象建物

当調査の対象建物は、事務所ビル、マンション、商業施設等です。
当調査の対象構造方式は、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造です。
必要な書類

建物投資価値調査に必要な資料は以下の表の通りです。

【表:建物投資価値調査に必要な資料】

資料分類 資料名称
(1)設計図書 竣工図(建築図、構造図)
建物投資価値調査のステップ毎の内容

当調査のステップ毎の内容は以下の表の通りです。

【表:耐震補強設計のステップ毎の内容】

ステップ 内容
ステップ-1
調査準備
当調査に必要な情報(竣工図(建築図、構造図))を収集します。
当調査に必要な情報を検討し、現地調査を計画します。
ステップ-2
本調査
現地にて、対象建物の所定位置にセンサを設置し、固有振動数を計測します。
ステップ-3
報告書作成
調査準備や本調査の情報をもとに、対象建築物の残存耐用年数を算定します。
残存耐用年数の算定結果を建物投資価値調査書としてまとめます。
●標準的な業務の流れ

【図:標準的な業務の流れ】

建物投資価値調査の費用事例(参考)

東京都における費用事例

税別50万円 ※
【事例建物概要】
・建物規模 : 地下1階、地上10階建て
・構造方式 : 鉄筋コンクリート造
・延床面積 : 不詳
・建物高さ : 32.3m
・築年数 : 46年(1972年竣工)
建物の形状・規模等によって費用は変動します。

 

 

参考:建物調査基礎用語集
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