建物調査基礎用語集

【アスベスト】あすべすと

アスベスト(石綿)は、極めて細い鉱物繊維で、熱、摩擦、酸やアルカリにも強く、丈夫で変化しにくいことから、建材(吹き付け材、保温・断熱材など)、摩擦材(自動車のブレーキライニングやブレーキパッドなど)、シール断熱材(石綿紡織品、ガスケットなど)といった様々な工業製品に使用されてきました。

しかし、アスベストは、肺がんや中皮腫を発症する発がん性が問題となり、現在では、原則として製造・使用等が禁止されています。

【エンジニアリング・レポート】えんじにありんぐ・れぽーと

不動産投資・取引等に関するデュー・ディリジェンスは、①弁護士等の専門家が行う法的調査、②会計士や不動産鑑定士の行う経済的調査、③建築士や技術士等のエンジニアが行う物理的調査の3つに区分され、そのうち③の建物に内在する物理的なリスクを評価した物理的調査報告書をエンジニアリング・レポート(ER:Engineering Report)といいます。

【改修(リノベーション)】かいしゅう(りのべーしょん)

劣化や機能低下した建物の性能・機能を、建設当初の水準を超えて改善すること。

改修をリノベーションといいます。

【既存住宅インスペクション】きぞんじゅうたくいんすぺくしょん

「既存住宅インスペクション」とは、「既存住宅状況調査技術者講習」を終了した建築士が、国交省が制定したマニュアルに基付き、既存住宅に関し行う調査のことです。

2018年4月1日から宅建業法が改正され、中古住宅売買に関し、①~③が宅地建物取引業者に義務付けられました。
①媒介契約において、「既存住宅インスペクション」を実施する者のあっせんに関する事項を記載した書面の交付
②重要事項説明において、買主等に対して「既存住宅インスペクション」の結果を重要事項として説明
③売買契約において、建物の状況について当事者の双方が確認した事項を記載した書面の交付

【既存住宅売買瑕疵担保保険】きぞんじゅうたくばいばいかしたんんぽほけん

「既存住宅売買瑕疵担保保険」とは、中古住宅の検査と保証がセットになった保険制度です。住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)が保険を引き受けます。保険の対象は原則中古住宅の基本構造部分の瑕疵です。

中古住宅の売主が宅建業者の場合、売主が当該保険に加入するためには、住宅専門の保険会社が行う専門の建築士による検査に合格することが必要です。

これにより、中古住宅の購入者にとって、安心が確認された住宅の取得が可能となります。

後日、売買された中古住宅に瑕疵が見つかった場合は、補修費用等の保険金が売主(売主が倒産等の場合は買主)に支払われます。

【建築確認申請】けんちくかくにんしんせい

建築基準法において、建築主は、建物工事の着工前に、その建築計画が建築基準法の規定に適合しているか、建築主事または指定確認検査機関の確認を受けなくてはならず、この手続きを「建築確認申請」といいます。

【建築確認済証】けんちくかくにんずみしょう

「建築確認申請」された建築計画が、建築主事または指定確認検査機関により、法の規定に適合していると確認された場合に交付される文書が「建築確認済証」です。

【建築検査済証】けんちくけんさずみしょう

建築確認を受けた建築工事完成後は、建築物が建築基準関係規定に適合しているかどうかの検査を受けなければならず、検査により適合が認められたときに交付される書類が「建築検査済証」です。

【再調達価格】さいちょうたつかかく

建築、設備を含む対象建築物を調査時点において再び建設した場合に必要な費用の総額のことです。

エンジニアリング・レポート(ER)では、地震時予想最大損失率(PML)の算出に用いられます。

【修繕(リニューアル)】しゅうぜん(りにゅーある)

劣化や機能低下した建物の部材・設備の修理や取替を行い、性能・機能を建設当初の水準に回復すること。

修繕をリニューアルといいます。

【重要事項説明】じゅうようじこうせつめい

宅地建物取引業法では、不動産売買契約を締結するまでの間に、不動産会社は、購入予定者に対して購入物件にかかわる重要事項の説明をしなければならないと定めています。

重要事項説明は、宅地建物取引士が、内容を記載した書面に記名押印し、その書面を交付した上で、口頭で説明を行わなければなりません。

重要事項説明書に記載されているのは、大きく分けて「対象物件に関する事項」と「取引条件に関する事項」ですが、宅地建物取引業法で、説明すべき事項が細かく定められています。

【デュー・ディリジェンス】でゅー・でぃりじぇんす

デュー・ディリジェンス(Due diligence)とは、ある行為者の行為結果責任をその行為者が法的に負うべきか負うべきでないかを決定する際、その行為者がその行為に先んじて払ってしかるべき正当な注意義務及び努力のことで、転じて投資やM&Aなどの取引に際して行われる、対象企業や不動産・金融商品などの資産の調査活動のことです。

不動産投資・取引等に関するデュー・ディリジェンスは、①弁護士等の専門家が行う法的調査、②会計士や不動産鑑定士の行う経済的調査、③建築士や技術士等のエンジニアが行う物理的調査の3つに区分され、そのうち③の建物に内在する物理的なリスクを評価した物理的調査報告書をエンジニアリング・レポート(ER)といいます。

【登記簿】とうきぼ

「登記簿」は、不動産である土地や建物の所在・面積のほか、所有者の住所・氏名などの登記の登記事項を記録した公の帳簿のことです。現在、「登記簿」は磁気ディスクをもって調製されています。これを一般公開することにより、権利関係などの状況が誰にでもわかるようにし、取引の安全と円滑をはかる役割をはたしています。

「登記簿」には、1筆(1区画)の土地又は1個の建物ごとに表題部と権利部に区分して作成されています。さらに,権利部は甲区と乙区に区分され、甲区には所有権に関する登記の登記事項が、乙区には所有権以外の権利に関する登記の登記事項がそれぞれ記録されています。

登記所では、所定の請求書を提出すると、だれでも登記事項証明書(登記簿謄本)の交付を受けることができます。

【BELCAのERガイドライン】べるかのいーあーるがいどらいん

BELCA(公益財団法人ロングライフビル推進協議会)は、2001年に「不動産投資・取引におけるエンジニアリング・レポート(ER)作成に係るガイドライン」を発行し改訂を重ねていますが、2007年にERが「不動産鑑定評価基準」に位置付けられたことを契機に ER作成のデファクト・スタンダード(事実上の標準)となり、証券化業界を中心に関係者に認知され、定着しています。

【PML】ピーエムエル

エンジニアリング・レポート(ER)における耐震性を評価する指標として、地震時予想最大損失率いわゆる「PML(Probable Maximum Loss)」が用いられています。

PML=予想される最大の損失(補修費/再調達価格×100%)

例えば、再調達価格100億円とし、最大規模の地震を受けた場合の補修費が5億円かかると予想されると、その建物のPMLは(5億円/100億円)×100=5%となります。PMLは0%で無被害、100%で全損と評価されます。

【PCB】ぴーしーびー

PCBとはPoly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称で、人工的に作られた、油状の化学物質です。

PCBの特徴として、水に溶けにくく、沸点が高い、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙など様々な用途で利用されていましたが、その毒性が明らかになり1972年より製造・輸入ともに禁止されています。

【リニューアル(修繕)】りにゅーある(しゅうぜん)

劣化や機能低下した建物の部材・設備の修理や取替を行い、性能・機能を建設当初の水準に回復すること。

リニューアルを修繕といいます。

【リノベーション(改修)】りのべーしょん(かいしゅう)

劣化や機能低下した建物の性能・機能を、建設当初の水準を超えて改善すること。

リノベーションを改修といいます。
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